労働慣行

2017年05月18日 更新

基本的な考え方

 組織が雇用を生み出し、労働者に賃金を支払うことで労働者の生活水準が維持・改善され、そして向上していくという労働慣行は、前述の人権とともに、社会・経済に対して大きな影響を与えています。
 日本においては、労働基準法をはじめとした労働関係関連法令のなかで、雇用機会、労働時間、安全衛生などの労働者の権利に関する基本的な内容が定められており、労使双方に遵守することが求められています。
 J.フロント リテイリングは、効率的な組織要員構造改革の推進やそれらを下支えする人事制度改革の整備に加え、健康への取り組みや労働条件や労働環境の改善に努めることにより、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を考慮した、企業と従業員の双方にとって有益な組織づくりを進めること、また従業員の教育研修制度の向上や人材育成支援制度を設けるなど、人材の活性化に向けた仕組みづくりを推進しています。

ワーク・ライフ・バランス

ワーク・ライフ・バランスを前提とした諸制度の整備と実施

社会や家庭環境の変化、労働環境の変化等を背景に、人材の確保や従業員が心身ともに健全であるためにも、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の重要性がますます高まっています。今日的な各種休暇制度や勤務制度の整備を行い、着実に推進してまいります。
また、従来の健康対策はもちろんのこと、メンタルヘルス関連の疾病発症が増加傾向にあるため、企業経営、人事労務管理上からも重要な課題ととらえ、身体の健康のみならず心の健康のケアへの対策も推進しています。

各種休暇制度および勤務制度の整備と取得啓発
  • ・業務の効率化の推進とともに、ノー残業デーを設定するなど、所定外労働時間の削減を図っています。
  • ・半休制度(年間5日を限度として年次有給休暇を半日に分けて実施できる制度)やイベント休暇(各々のライフイベントにあわせて年次有給休暇を年間3日間計画的に取得)の導入と啓発により、年次有給休暇の取得を促進しています。
  • ・長期療養、家族の介護に加え、不妊治療時に取得可能な請求権消滅年次有給休暇(所定の実施期間以前の直近2年間に失効した年次有給休暇)の活用制度を導入しています。
  • ・育児を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援することを目的に、各グループ会社において育児休業、育児勤務など育児に関する諸制度を制定しています。

〈大丸松坂屋百貨店の育児に関する諸制度〉
大丸松坂屋百貨店においては、法定を上回る休業期間及び短時間勤務を制度化しており、取得者のニーズに応じて、育児休業及び育児勤務を最長の場合で子供の小学校就学月末日まで取得できます。また、その後も、勤続要件を満たせば、育児でも取得可能な「選択勤務制度」(育児だけでなく、介護、傷病等の事由によっても取得できる短時間勤務制度)を活用し、さらに中学校就学月末日まで短時間での勤務が可能となっています。

2017年3月1日現在の育児休業、短時間勤務の取得人数は次のとおりです。

区分 人数
育児休業者 125名
短時間勤務者(育児勤務、選択勤務の合計)
(内、育児勤務)
408名
(134名)
合計 533名

(注)短時間勤務者:選択勤務制度利用者には、介護、傷病、ボランティア、自己啓発の事由での取得者が一部含まれています。

健康管理への取り組み

 従業員は会社にとって最大の財産であり、お客様に、よりよいサービスを提供し楽しくお買い物をしていただくには、まず従業員が心身ともに健康であることが何よりも大切であるとの基本的な考え方に基づき、健康管理の具体的取り組み内容として、疾病構造の変化を踏まえ、疾病の一時予防に重点を置いた取り組みを推進しています。
 そのため、法定基準の定期健康診断はもとより、35歳以上の全従業員を対象に生活習慣病の予防検診と婦人科検診を実施しています。また心身両面にわたる健康管理全体の大きな枠組みの中でメンタルヘルスを取り上げ、セルフケアのツールとして生活状況調査を実施しています。これらの結果に基づき健康管理室等が実施する保健指導の取り組みを重視しています。

雇用機会の維持・創出とダイバーシティへの対応

 2006年高年齢者雇用安定法の改正において、定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年の廃止、のいずれかの雇用確保措置の実施が義務づけられましたが、当社では、改正以前より「長年に渡る蓄積された技術の伝承」「雇用の維持・創出は企業の社会的責任」の観点から再雇用制度を導入しています。
 また、人材の多様性を競争力の源泉と考え、性別を問わず、個々人の能力・成果・適性、並びに各人の意欲に基づき、配置および人材活用を推進しています。加えて、ハンディキャップのある方々を雇用することは、企業の社会的責任であると認識しており、積極的にその促進に努めております。

  • 〈参考〉大丸松坂屋百貨店の女性社員のリーダー職登用状況(2017年3月1日現在)
  •   女性人数 女性比率
    部長職 12 12.1%
    その他リーダー職 215 35.2%
    合計 227 32.0%
  • ※J.フロント リテイリング並びに大丸松坂屋セールスアソシエイツへの出向者を含む。
  • ※「その他リーダー職」の人数は、マネジャー、サブマネージャー、バイヤー、ディベロッパー&エディター(大丸松坂屋セールスアソシエイツのスーパーバイザー、セクションリーダーを含む)の合計。
  • なお、女性執行役員数は3名です。

人材育成

人材育成の考え方と取り組み

個人は主体的に自己のキャリア目標を描いてそれに向かってチャレンジする
個人は仕事をやりきることによって成長する 会社はその機会を積極的に提供する
という2つの考え方をベースに、人材育成を組織全体の活動と位置づけ、「組織の領域」「個人の領域」「組織と個人をつなぐ領域」を統合して、人材育成に取り組んでいます。
 「組織の領域」では、組織運営のツールである「役割構造図」を活用し、現場で困難な課題を達成するプロセスの中で育成する組織マネジメント力の強化に取り組んでいます。また自主事業、大丸松坂屋セールスアソシエイツ、お得意様営業など機能分化した組織に対応した専門知識・スキル修得に向けて、現場でのOJT体制の構築と、体系的に知識・スキルを修得するOFFJT(研修)体制の整備を行っています。
 「個人の領域」では、自らのキャリア目標を設定し、その達成に向けて「意志意欲」を示してチャレンジする外部研修、MBA派遣、海外チャレンジ制度など公募型学習機会を充実させるとともに、自己申告制度、キャリアエントリー制度などの有効活用を促進しています。またキャリアサポートカレッジ(自己啓発スクール)の専門知識講座の拡充により、自己啓発によって専門知識・スキルを増やす機会を創出しています。
 「組織と個人をつなぐ領域」では、総合アセスメントの人材情報に基づく人材マップを作成するとともに、中長期的視点による人材力強化計画を策定し、計画的な配置・登用・育成を推進しています。また節目面談、行動多面観察などのフィードバックの機会を通じて、個人と会社がキャリアについてコミュニケーションを行う機会を充実させています。

人材育成を支える学びの仕組み

 個人の自律的な学習と多様な能力の獲得を支援するため、さまざまな学びのプログラムを充実させています。
 入社後3年間、「個人の基盤力」と「学習力」の強化を目的として実施する「JFRエントリースクール」、30歳前後の活力あるグループ人材を発掘し「変革型リーダー」への飛躍的成長を促す「JFRリーダースクール」、過去から現在までの経験を振り返り、今後のキャリアビジョン達成に必要な要件(個人、環境、学習力)を見つけ、自律的キャリア開発の機会を設定するキャリア開発研修(27才で実施)、「自分のキャリアは自分で創る」という「キャリア自律」の考え方に基き、集合研修、通信教育、e-ラーニングなどを含めて400講座のメニューを持つ自己啓発社内スクール「キャリアサポートカレッジ」などが主なものです。今後も自らのキャリア目標を持ち、「なりたい自分」に向けてチャレンジする人を支援するプログラムを充実していきます。

人材育成の基本構図