消費者課題

2016年12月12日 更新

基本的な考え方

 あいまいで不正確な宣伝をすることなどで消費者が不利になることや、安全性に欠陥がある製品を提供して消費者に危険が及ぶようなことがあってはなりません。さらに、消費者がその製品やサービスを使うことで、環境被害が出るなど社会へ悪影響を与えてしまうことがないようにすることも重要です。
 J.フロント リテイリングは、商品を提供する企業とそれを使用する消費者との双方が社会に悪影響を与えないような消費活動を行っていくことが大切と考えます。
 一部の課題についてはPL法などの法令が整備されていますが、依然として消費者に関連する問題は数多く存在し、社会の変化とともに新たな問題が発生しており、ますます消費者課題に対する社会の意識は高まっているといえます。このような中において重点施策として、食の安全、個人情報保護などに対する取り組みや消費者窓口の設置を行うなど自主的かつ積極的な取り組みを進める一方、百貨店においては安全・安心な店舗・環境づくりを進めるとともに、消費者への有用なサービスの提供の取り組みを積極的に推進してまいります。

有用なサービスの提供

もっとお客様を知るために「定期的なWEB調査」「ミステリーショッパー調査」の実践

 大丸松坂屋百貨店の本社経営企画室では年に1回、大丸松坂屋マイメール登録会員様にモニターとなっていただき、WEBアンケートを実施し、調査結果を各店舗に対するお客様のご意見やご不満を分析する資料として活用しています。
 これらは、各店舗の雰囲気や品揃え、催事やイベントなどの評価や、季節・歳時記に応じた商品など消費者が百貨店に期待される品揃えを、WEBによるモニター調査により年齢層別に把握するものです。この調査結果は、消費者が百貨店に求める商品や売場のあるべき姿を店舗別に構築していくことに役立たせています。
 また、本社営業企画部では、ミステリーショッパー調査を定期的に行ない店頭の販売員の接客レベルを測定し、百貨店らしい接客が常に行なわれるよう努力しています。

「フロンティアクラブ(優秀販売員表彰制度)」について

 2008年より「どこよりも抜きん出た販売サービス」の実現に向けて大丸・松坂屋全社の優秀販売員を表彰するフロンティアクラブ制度を発足いたしました。
 このフロンティアクラブ制度とは、大丸、松坂屋の店頭で接客・サービスに関わる社員、お取引先の販売員の中から、「接客販売の達人」を選び、表彰する制度です。
 選考の基準は、売上目標達成率の高さ、笑顔、あいさつなどの基本行動、お客様からのお褒めの言葉、カード会員開拓数、また笑顔の素敵な販売員に手渡しされる「スマイルカード」の獲得数などであり、その結果をもとに、各店が候補者を選出。その中でも特に接客・サービスに優れていると評価された方を「Persons of The Year」として1年に1度表彰し、フロンティアクラブメンバーとして登録させていただくものです。
 表彰者には大丸松坂屋百貨店社長より認定表彰の上、特別なネームプレートと副賞が贈呈されます。

〈フロンティアクラブ受賞者数〉

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回
2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
66 83 117 115 112 103 102 101
【VOICE】 松坂屋上野店 銀座花菱 店長 中村妙子さん
2012年度「フロンティアクラブ」表彰を受けました。大変光栄なことと嬉しく思いますと同時に、この表彰はショップメンバーの代表として頂いたものと考えています。 私は、常にお客様にいかにご満足をご提供できるかを考えて接客しています。そのために心がけていることがあります。それはお客様の心の中に飛び込むような接客を通じてお客様の生活をより楽しいものにして頂くことです。
 例えば、大丸・松坂屋のカード会員にご登録頂いていれば、お買い上げ品・金額に応じたポイントが付与されます。そのメリットについて、案外お客様はお気づきになられないケースがあります。そのような時には、「このお洋服のお買い上げ金額のポイントで、この後、喫茶店でケーキがお召し上がり頂けますよ。」といったメッセージを添えさせて頂きます。また、お孫様がいらっしゃるお客様へは「お買上げのポイントでお孫様にTシャツをプレゼントされたらいかがでしょう。きっとお孫様がお喜びになりますよ。」といったご提案をさせて頂くことにより、お客様も楽しくなって頂けると考えています。 私たちの接客やご提案を通じてお客様の生活が楽しくなること、次のご来店時にまた笑顔でお話しができることが私の働く喜びに繋がっています。今後も「フロンティアクラブ」表彰を励みとして、たくさんのお客様に喜んで頂き、次のご来店時に私を指名して頂けるよう努めていきたいと考えています。
ファッションナビ・コスメナビスタッフがお客様の「美の追求」に対応!

 2011年3月より、多くのお客様からいただいた「もっと気軽にファッションに関するアドバイスを受けたい。」という声に対応して、大丸梅田店増床オープンと同時に、お客様へファッションに関するアドバイスを行う「ファッションナビ」をスタートさせました。2012年9月に大丸東京店、松坂屋名古屋店、上野店、2013年3月には大丸京都店、松坂屋静岡店がスタートし、6店舗体制に拡大して、お客様の色々なニーズに答える体制を整えています。
 ファッションナビは、「印象診断」「パーソナルカラー診断」「ショッピングナビ」などから構成される大丸松坂屋百貨店オリジナルの有料コンサルティングサービスです。
 大丸梅田店におけるファッションナビの年間ご利用件数は、約2千件。1カ月先まで予約がいっぱいの状況が続いています。同店でリピーターとなっていただけるお客様も多くおられ、2回目以降には「ショッピングナビ」を希望されるお客様も増えています。お客様からは、本当に似合うものがわかり、効率的に楽しくお買い物ができると喜ばれています。

 2012年11月から、オリジナルの有料サービス第2弾として、メイクアップに関するアドバイスをする「コスメナビ」が大丸心斎橋店、松坂屋名古屋店に開設されました。他社との違いは、一人ひとりの骨格・筋肉にあったメイクをアドバイスする「骨筋メイク」。その場だけ綺麗にメイクするのではなく、ご自宅に帰ってからご自身でできるようにアドバイスさせていただきます。
 これらの有料サービスは、色々な情報の中から、お客様個々人にあった「美しさ」を発見し、その方のお悩みを解決し、個別のアドバイスをおこなうことによって、多くのリピーターをつくり、お客様とナビスタッフとの信頼関係を深めています。

首都圏お得意様営業部では「ファッションOSE(アウトセール・エクスパート)」の取り組みを開始!!

 大丸松坂屋百貨店のお得意様営業部は、お客様の個別ライフスタイルの中からニーズや課題を引き出すことで、お客様にご満足いただくお買い物を楽しんでいただき、お客様の生活の質をレベルアップしていただく取り組みを開始。特に日本の40〜50代の「ビジネスの最前線で活躍している方々は、人と会う(人前に出る)機会が多く、ファッションに気を使う一方で自由な時間が少ない」というライフスタイルに着目し、ファッションを切り口とした顧客づくりを強化しています。40〜50代の富裕層へのアプローチを強化するために、営業地区の絞り込みや昨年秋に増床オープンし、特選海外ブランドを拡充した大丸東京店を中心とした売場・商品のアテンドサービスの強化など、十分な商品情報を持たないがニーズはお持ちのお客様とのマッチングさせたマーケティング活動の展開など、消費者の課題解決に寄与してまいります。

大丸松坂屋セールスアソシエイツによる販売ノウハウの革新的なレベルへの向上

 大丸松坂屋セールスアソシエイツ(DMSA)は、店舗で販売・売場運営に携わる人を集結し、約2500名とグループ有数の規模の会社です。今後、DMSAは、販売に関する提案力やマネジメント力を向上させ、大丸松坂屋百貨店の店舗の営業力、収益力強化に貢献するとともに、グループ外部からの販売受託拡大も視野に入れた活動を展開していきます。
 DMSAは、①店舗全体の運営マネジメントの受託、②売場単位での販売・運営の受託、③人材開発のプログラムの提供など、店舗における運営業務全般のノウハウをソリューションとして提供してまいります。百貨店を中心とした商業施設、商業集積に求められる商品分野別の専門性と、繁忙・閑散に対する臨機応変な販売体制の構築・運営を提供できる人材育成とマネジメントノウハウを開発してまいります。専門性強化においては、社内資格制度「シューコーディネーター」をつくり、婦人靴と紳士靴の「販売のプロフェッショナル」を育成しています。「シューコーディネーター」資格に関しましては、社内だけでなく、外部への事業拡大を目指してまいります。また繁閑への臨機応変な対応では、催事やイベント・期間限定販売など消費者ニーズに即応するための店舗の仕掛けに最適な運営体制を提案・実施するサービスとして、多様な商材を販売する百貨店の販売ノウハウを再構築いたします。有能な販売人材の能力開発の方向性・ステップを明確にし、消費者の商品提案や生活提案の高度なニーズに応えていく仕組みをグループ内で開発してまいります。
 DMSAは、百貨店における売場・商品を消費者に最適な形で付加価値の高いサービスでご提供する役割を坦っており、安全・安心に関わる情報の提供はもちろんのこと、お客様のご期待に応える有用な商品・サービスの適切な提供に努めてまいります。

品質管理の徹底

お客様に信頼いただける製品・サービスの提供

 企業は、製品・サービスの提供を通じて、消費者の豊かな生活を支えていますが、企業行動によっては消費者に大きな影響を及ぼします。J.フロントリテイリング グループは、品質管理を専門分野とする消費科学研究所をグループ各事業会社における品質管理の維持・向上に活用させることにより、供給者である企業および需要者である消費者が共に安心して販売・消費活動を行い、生活の質を高めて頂くお手伝いをさせていただいています。

「食」の品質管理

 食の安全を徹底するため、百貨店、食品関係の事業会社においては、それぞれ食品の表示や消費期限に関する管理ルールに則り、適正な管理を実施するとともに、消費科学研究所とも連携して定期的に食品の適切な管理状況をチェックしています。また、グループ各社に設置されたコンプライアンス推進担当者との連携により、食に関する重大な事故が発生した場合には、グループとして迅速な対応がとれる体制を構築しています。

大丸興業の「品質管理向上」への取り組み

 大丸興業は、ISO14001に加えてISO9001(品質マネジメントシステム)の認証取得を通じて業務活動における品質管理の向上を図っています。
 2012年度においても、日産自動車株式会社様が定める無検査メーカー認定合格基準に合格し、21年間連続認定を達成しました。
無検査メーカー認定合格基準とは、良品率99%以上、納期達成率95%以上と非常に高く厳しい品質合格基準が要求され、この認定を受けたサプライヤーからの部品は、日産自動車(株)総合研究所において無検査で、実験・研究に使用されます。
 自社の品質管理向上の取り組みを、クライアント様の品質向上にも寄与させるべく、今後も大丸興業はISO9001のマネジメントシステムを通じた品質管理向上の取り組みを推進していきます。

消費科学研究所 —流通業の「品質」のプロフェッショナルとして品質管理業務をトータルでサポート!

 消費科学研究所は、大阪、東京、名古屋の3か所にあり、商品性能や苦情原因を究明するための試験、商品表示・販促媒体表現の関係法令に基づいた確認などのほか、品質管理全般に関わるコンサルティングや研修・セミナーを行っています。また、大丸・松坂屋・関係百貨店計10店の消費生活相談コーナーに専門の資格を持つコンサルタントを派遣しています。
 同研究所はJFRグループ企業に対して、販売前の事前検査や商品表示の店頭チェック、食品売場やレストランの衛生検査を行うほか、販売に供される様々な商品アイテムの品質検査や包装紙やショッピングバッグなどの耐荷重検査、染色堅牢度検査など商品を使用した時の安全性を確保するための様々な検査も行っています。

消費科学研究所の試験を経て実用に供された大丸・松坂屋共通の食品用紙袋

「くらしのさいえんすvol.54」では、日本の食文化を支える「麹」を特集

 一例を挙げれば、大丸・松坂屋共通の食品専用ショッピングバッグについては、導入前に同社の強度検査で、静止時の耐荷重は約40kgまで、また、7kgのおもりを入れて上下に50回/分の速さで1万回を動かしても破損しないという実験検査を経て実用に供しています。こうしたデータ情報は、百貨店の社員間で共有しているため、販売時に商品の重量に合わせて適切な紙袋でご提供するサービス向上に役立っています。
 また、同研究所では、社会と消費者に対する情報発信の一環として、生活情報冊子「くらしのさいえんす」を年2回発行しています。"お客様が求める品質"をテーマに、商品を購入する際やサービスをご利用されるうえで、参考にしていただきたい情報や消費者を取り巻く諸々の事例を、分かりやすく解説しています。

 また、同研究所では、JFRグループ内の研究所として培った豊富な品質検査に関するノウハウを活かして、直近では、「①大丸松坂屋百貨店の繊維製品の品質管理」〜素材要因による品質苦情の分析事例より〜」、②「取扱い絵表示の国際整合化に伴うJIS絵表示の表示方法」など、小売業者として法令等の遵守や消費者への苦情を発生させないために知っておかねばならない事項についてのセミナー(有料)を開催するなど、グループ外の企業に対しても、消費者課題への積極的な対応の実践を担保する機会を提供するなど、企業の社会的責任を果たしています。

【VOICE】 株式会社 消費科学研究所 篠 岳 品質管理室長
(株)消費科学研究所は、大丸松坂屋百貨店向けの業務として、社内における品質管理や食品衛生に関する自主管理ルールの提案・作成および運用、法改正や製品事故など、社内外で品質上の問題が発生した場合の情報提供、対応案の作成等、商品の品質管理全般に関わる業務を行っております。 また、大丸松坂屋百貨店内に、消費生活アドバイザー資格を持つコンサルタントを派遣した消費生活相談コーナーを設け、お客様からの品質に関わるご相談・お申し出に対する適切な対応・アドバイスも行っております。今後もお客様とJFRグループ各社とのよりよい関係づくりをサポートするため、「使う人の視点」、「実績に裏付けされた確かな目」で、「お客様が求めている品質とは何か」を第一に考えながら、品質管理向上への継続的改善を目指し、より良質な商品をお客様にお届けしていくことをお手伝いして参ります。

個人情報の保護

 お客さまの個人情報を確実に保護するため、各社の個人情報の保護管理に関する基本方針や行動基準などの規程を整備して、当社グループ全社の従業員教育や管理状況のチェックを計画的に実施しています。大丸及び松坂屋の顧客情報データを一元的に取り扱う(株)JFRカード及び(株)JFR情報センターでは「プライバシーマーク」を取得し、お客様の個人情報保護に努めています。

お客様相談室の運営


消費生活相談コーナー

 大丸、松坂屋では、「消費生活相談コーナー」において消費生活アドバイザーの資格を持つコンサルタントがお客様からの商品の品質に関するお申し出を承ります。お客様からのお申し出内容はオンラインで消費科学研究所に送られ、品質について科学的に検査されます。その結果はコンサルタントを通じ、お客様に報告されます。また、再発防止のために、各店やお取引先メーカーにも試験結果を伝え、品質の改善につなげています。
 また、各店にはお客様相談スタッフが常駐し、お客様のご相談を承るとともに、品質に対するお問い合せには、消費科学研究所との連携の下、検査を行い、お客様への結果報告の徹底を図っています。

【VOICE】 大丸東京店 消費生活相談コーナー/長田 清子さん
家庭の主婦としての経験を活かして消費者視点の仕事ができればと考えたことをきっかけに、平成7年に「消費生活アドバイザー」の資格を取得し、平成8年より大丸東京店の「消費生活相談コーナー」にて勤務をしています。
消費生活アドバイザーは、企業と消費者のパイプ役であり、消費者の想いを企業に伝えていくとともに、消費者へ適切なアドバイスをご提供することが重要な役割です。このため自分自身のアンテナを広げ、常に新しい法律知識、商品知識やライフスタイル情報など専門知識の修得に務めています。
接客時には、お客様のお気持ちをしっかりと受け止め、お申し出の内容を整理し、できるだけ分かりやすい言葉で生活シーンに即した具体的な説明を心掛けています。例えば繊細で上品なデザインの婦人服は、肩に負荷がかかるようなショルダーバッグの使用は避けた方が良いと言えます。また、上質なカシミヤ製品は、軽くとても暖かなのですが、続けて着用すると毛玉ができやすいため、一日着用したら2〜3日は休ませるといった工夫で上質な素材感を長持ちさせることができます。人間には性格があるように、各素材には「特性」があります。特性を理解し取り扱いに少し気遣う事で、長くお楽しみ頂けます。
お客様視点での接客サービスを店頭に浸透させるため、販売員研修などで商品の品質に関する講座を担当することも私の大切な役割です。 今後も、お客様視点での接客応対に徹し、より多くのお客様の笑顔に接することができるよう日々研鑽してまいりたいと考えています。

安心安全な店づくり

地震・火災発生時に備えて、防災訓練の定期的な実施とともに、緊急地震速報のシステムを導入しています。

 大丸、松坂屋各店では自衛消防隊を組織し、通報・消火とお客様の避難誘導を迅速に行えるよう店舗の勤務者全員参加の訓練を定期的に実施しています。また、震度5弱以上の地震発生時には緊急地震速報を受信し、リアルタイムで自動的に館内放送を行えるシステム (※)を導入しています。緊急時の行動マニュアルに基づく避難誘導訓練を繰り返し実施し、いざというときにも反射的に最適な行動がとれるよう徹底しています。
 2011年3月11日の東日本大震災の地震発生時においても、首都圏各店では訓練に基づき、迅速かつ安全にお客様の避難・誘導を行うことができました。 また、大丸松坂屋百貨店では、AED(自動体外式除細動器)を全店に設置するとともに、従業員への訓練を継続的に実施して、緊急事態における救命対策の強化を図っています。
→ハイライトを参照
※現在大丸心斎橋、梅田、東京、京都、神戸、札幌、須磨、芦屋、博多大丸天神、高知大丸、各店及び松坂屋全店に導入済み。今後全社に拡大していく予定。

大丸東京店の防災センターでは、各種モニターで集中コントロールし全館の安全確認を行っています。

消火器を屋上で実際に噴射する訓練(松坂屋名古屋店)

緊急地震速報発生訓練(係員の指示に従い身を低くするお客様の役の従業員)(松坂屋名古屋店)


震災時の帰宅困難に陥ったお客様への対応の整備を進めています。

 東日本大震災の教訓から東京都において、「帰宅困難者対策条例」が2013年4月に施行されることに合わせ、大丸、松坂屋の各店では、「自助」、「共助」、「公助」の考え方に基づき、帰宅困難に陥ったお客様への対応として、一時避難場所として店舗の一部を開放し滞在を可能とする体制を整えています。
 具体的には、大規模震災発生時の帰宅困難に陥るお客様および従業員数を想定し、相当数の乾パンおよび飲料水を備蓄するとともに、備蓄品が不足した場合には食品・食堂部門のお取引先の同意に基づき、店頭商品等(消費期限内のもの)をご提供いただけるよう説明会を開催し、覚書の締結を進めております。(※2013年3月現在、約400社と締結)

AED(自動体外式除細動器)訓練の拡大と受講者1万人を目指した救命体制の構築

 多くのお客様が来店される百貨店でAEDの操作方法を理解している従業者を増やすことは社会的要請の観点からも急務であり、AEDを操作できる人の増加へ向け訓練機会を増やしています。大丸、松坂屋全店にAED(自動体外式除細動器)を設置するとともに、緊急時の初期対応ができるように普通救命講習会を各店で実施しています。
 これまでも大丸、松坂屋各店では、消防署等の協力を仰ぎ定期的に「普通救命講習」を実施してきました。この取り組みを含めた全店の受講者は、平成25年8月現在で約7,800名を数えました。大丸、松坂屋全店にはグループ企業社員・取引先派遣者を含めて約4万人が在籍していることから、当面は従業者の4分の1にあたる1万人の参加を目標に定期的な訓練により体験者を拡大し、非常事態に適切な対応がはかれる体制を構築してまいります。


「AED」を用いた胸骨圧迫による心肺蘇生の訓練に参加する大丸松坂屋百貨店とJFRグループの従業員
(東京都東日暮里の流通センターにて)
バリアフリーな店づくりを推進

 大丸・松坂屋各店では、お身体の不自由な方やご高齢のお客様、お子様連れのお客様にも、安心してお買物をしていただけるよう、施設・サービスを常に見直し、バリアフリーな店づくりを行っています。

  • (すべてのお客様に対して)
  • ・雨天時はエントランスフロアの床が濡れ、滑りやすくなるので、玄関部分にマットを設置するとともに、滑りにくい床材(または滑りにくい加工)としています。
  • ・店内の段差は極力廃止し、解消できない場合は行政より指導されている12分の1の緩やかな勾配のスロープを設置しています。
  • (車椅子を使われているお客様への対応)
  • ・玄関には自動ドアを設置し、ドアの前後に水平部分を設け、車椅子使用のお客様が出入りしやすいようにしています。
  • ・車椅子をご使用のお客様やベビーカーをお使いのお客様が安全に、スピーディーにフロア移動ができるよう、専用エレベーター、優先エレベーターを運用上設けています(一部設定していない店舗あり)。
  • ・各エレベーターの停止ボタンやフロアボタン、ドアの開閉ボタンは通常の位置に加え、下部にも設置し、利用しやすい工夫をしています。また、エレベーター内には正面にミラーを設置し、バックでもエレベーターからスムーズに降りられるようにしています。
  • ・客用トイレについても車椅子で利用できる専用のブースを設けており、オムツ替えが出来るベビーベッドやオストメイト対応(すべてのブースではありません)の設備を備えています。
  • ・車椅子でも利用できる、大型のフィッティングルームの設置を進めています。
  • (目の不自由なお客様への対応)
  • ・玄関から案内所、エレベーターホールへの点字ブロックでの誘導とともに、階段手すりの点字によるフロア案内も設けています。また、駐車場と売場がブリッジなどで接続されている場合も、点字ブロックでの誘導や段差のスロープ化を実施しています。
  • ・すべてのエレベーターの内部に到着階やドアの開閉を音声でお知らせするシステムを採用しています。また、ボタンには点字も設置しています。
  • (小さなお子様連れのお客様への対応)
  • ・子供服売場に隣接して、オムツ替えができるベビーベッドや授乳のためのミルクを作る温水器、母乳を与えるための専用ブースなどを備えた施設を設けています。
  • ・トイレの各ブースには小さいお子様をキープできる専用の椅子を設置し、安心して利用できるようにしています。
  • (ご高齢のお客様への対応)
  • ・売場の対象顧客に応じて、フィッティングルームには手すりを設けています。
  • ・お客様への案内サインは視認しやすいよう、配色やコントラストを工夫しています。