2026.06.05
ビジネスを動かし次世代の仕組みを設計する
変革期のIT人材像
J.フロント リテイリング(以下、JFR)グループがいま求めているのは、テクノロジーを使いこなし、業務や顧客体験、ビジネスプロセスそのものを設計できるBITA(Business IT Architect)という職種に共感し、それを目指してくれる人たちです。PMとして次のステージを目指したい人、データ活用やセキュリティ、リアル×デジタルの価値創出に挑みたい人など、新たなに挑戦を考えている方にとって、JFRグループの変革期はまたとない成長機会となります。
ITデジタル統括部長を務める小澤稔弘に、いま求める重要領域とその先に広がるキャリアの可能性を聞きました。
取材:末吉 陽子 撮影:寺澤 洋次郎
変革の最前線で磨かれる実力と重点領域での実績を通じた市場価値の最大化

具体的に、どのような領域で人材を募集しているのでしょうか。
小澤:
JFRグループでは、次世代型の事業会社IT変革に向けて、以下の領域で重要プロジェクトを順次開始しています。これらのプロジェクトはVol.1,2で述べてきた方針に基づいて推進されるものです。その取り組みにBITAとして参画し、挑戦を重ねながら、自身の大きな成長を実感してもらいたいと考えています。
プロジェクト/プログラム管理領域
BITA組織で必要とされるのは、単一のシステム構築を管理するプロジェクトマネジメント(PM)能力だけではありません。特に身に付けてもらいたいのは複数の関連するプロジェクトを束ねて戦略的に管理するプログラムマネジメントの能力です。
SI会社などでPMを経験してきた方の多くは、これまで1つの案件を納期通りに完遂させることに注力してきたはずです。しかし、例えば人事領域の変革を考えた際、そこには採用、評価、給与、教育といった複数のプロジェクトが並走します。これらプロジェクトの集合体を一つの大きなプログラムとして捉え、全体最適の視点で管理するのがプログラムマネジメントです。
これはSI会社でいえば、現場のPMから一歩進んで、複数のプロジェクトを統括するラインの部長職が担うような視座です。JFRグループでは、このPMとプログラムマネジメント(P2M)の双方を身につけるための研修や教育も強化していきます。PMの次のステップへ進みたい、より経営に近い視点で複数の変革を束ねたい、と考えている方にとって、ここは絶好の訓練場になるでしょう。
データ基盤/分析領域
JFRグループは、百貨店、GINZA SIX、PARCOといった、全く異なる特徴を持つ事業体を抱えています。そこから得られる顧客データは、まさに宝の山です。
皆さんが日々お買い物される購買データやお客様情報、何が売れているのかといったリアルタイムの動向。これらを単に統合するだけでなく、どう活用すればグループとしての新しい価値を生み出せるのか。データの分析を通じて、お客様の行動から新しいインサイトを導き出すプロセスは、データ活用に関わる人間にとってこれ以上ないほどエキサイティングな挑戦です。
データ属性が違うものを一つにまとめるだけでも価値は出ますが、私たちの面白さはその先にあります。例えば、地方拠点と都心拠点のエリア特性の違い、客層の多様性を理解した上で、このデータとこのデータを掛け合わせたら、こんな新しいサービスができるのではないかと考える。こうした問いを自ら立てて、ビジネス成果につなげる、といったチャレンジしたい方には、好奇心をかき立てられる環境が整っています。データ基盤の経験がない方でも、この多様なフィールドで自分の得意分野を広げたいという意欲があれば、ぜひ挑戦していただきたい領域です。
デジタルビジネス(リアル×デジタル)
リアル店舗を持つグループの最大の強みは、EC専業では得られない顧客行動データを取得できる点にあります。だからこそ重要なのは、単にECを強化することではなく、デジタルやオンラインの仕組みをどうリアルの価値向上につなげるかという発想です。リアル店舗を起点に新しい顧客体験やサービスを生み出すことにこそ、私たちの勝ち筋があると考えています。
たとえば、サイト上で商品に興味を持ちながら購入しなかった顧客が後日店舗を訪れた際に、関連商品や試着可能なアイテムを案内する。逆に、店舗で試着したものの購入に至らなかった顧客に対し、後日あらためて提案を行う。こうしたオンラインとオフラインをつなぐO2OやOMOの仕掛けは、リアル店舗があるからこそ実現できるものです。
来店、回遊、試着といったリアルならではの行動データを捉え、それをデジタルで活用していくことで、従来にはないサービスや体験も設計できます。リアルの価値を起点にオンラインを掛け合わせ、その強みを最大化していくことが、これから大きな競争力になるはずです。
ネットワーク/認証基盤領域
ネットワークやインフラの領域は、ともすれば「できて当たり前」の保守運用がメインだと思われがちです。しかし今のJFRグループは、ゼロトラストネットワーク(ZTN)をはじめとする、新しいネットワーク環境と認証基盤を導入しようとしているターニングポイントにあります。
しかも企業規模が大きいからこそ実装できる仕組みが多くなり、最新のサービスやアーキテクチャにチャレンジできる機会も多岐にわたることになります。企画の初期段階から参画できる経験を通して、プラットフォーム領域のBITAとしての市場価値を飛躍的に高めていくことができるはずです。
サイバーセキュリティ領域
JFRグループにおけるサイバーセキュリティの考え方は明確です。ツールや仕掛けを導入して守るアプローチ(CIS Controls/Center for Internet Security Controlsが基準)は当然のことながら、それ以上に、インシデントが発生した際にいかに最短でリカバリーするかという対応能力(NIST CSF/National Institute of Standards and Technology, Cybersecurity Frameworkが基準)を磨くことに注力します。
どんな企業でも、本気で狙われればインシデントは防げません。重要なのは、起きた時から直ぐにどう行動できるか、ということ。多くの企業は高機能なツールを入れれば安心と考えがちですが、実際にはツールを使いこなせず、有事の際に外部専門家の支援もタイムリーに得られず立ち往生してしまいます。
私たちは、有事の際の行動ノウハウを自分たちの中に蓄積し、ツールの使いこなし力を高めることも含めた「実践的な対応能力」を強化することを重視しています。この能力は、これからの人材市場で圧倒的に高い価値を持つようになるもので、しかも、この能力は、事業会社での経験を通してしか得ることができないものです。事業会社でのセキュリティガバナンスやCSIRT運営などに本気でチャレンジしたい方にとって、JFRグループでの実務経験は一生モノの強みになるはずです。
たとえば、これまではインフラの保守運用だけだったけれど、これからはサイバーセキュリティのプロとして市場価値を上げたい、といった未経験の方でも、積極的にチャレンジしていただきたいです。セキュリティ領域は未経験だとなかなかチャレンジしにくいのが現実ですが、JFRグループでは、インフラの基礎知識がある人のキャリアアップとして実践的なセキュリティを学ぶ道筋をしっかりと用意していきます。
バックオフィス(会計・人事)
会計や人事といったバックオフィス領域でも「新内製化」による共通サービス化を推進しています。この領域の魅力は、身につく業務知識のポータビリティが極めて高いことです。ITの視点から業務を俯瞰すると、システムがプロセス全体をカバーしているため、結果として誰よりも深く網羅的に業務を理解できるようになります。ITスキルに加え圧倒的な業務知識を武器にしたい方には、最高の修練場となるはずです。
また、定型処理が多いこの領域は、DSK(組織知のデジタル化)のネタが眠る宝の山でもあり、BITAとしての腕の見せ所が豊富です。特に人事では、データで人を活かすHRテックの活用が鍵となります。研修履歴とパフォーマンスの相関を分析し、個人の成長を科学的に支援するなど、経営的にも人財資産に注目が集まる中、実践的な知見を得ることができます。
JFRグループでは、IT側でバックオフィスを支えてきた方はもちろん、業務経験を活かしてITスキルを磨きたいという業務側の方のエントリーも大歓迎です。業務知識とITスキルの両輪を持つことは、これからの時代、自身の市場価値を最大化する最強のキャリアパスになると確信しています。
働き方の環境面はいかがでしょうか。

小澤:
私たちはリモートを活用したハイブリッドワークを採用しており、東京と大阪、どちらの拠点でも働くことができます。グループ採用という形をとりますが、本人の希望ややりたいことを最大限考慮し、配属を提案します。どこに配属されても、組織横断のBITAチームとして活動するため、所属や勤務地による業務の差はありません。
最後に、変革をともにする未来のメンバーに向けて、メッセージをお願いいたします。

小澤:
JFRグループの変革はまだ始まったばかりです。ただ、やるべきことは明確です。IT組織を、いかにしてDSKの構築活用をリードするBITA組織へと転換させるか。私たちなりの答えを持って臨んでいますし、すでに組織が変わり始めているという確かな手応えを感じています。
この変革を通して、これまでの報われないIT組織の常識を覆し、ビジネスの主役として躍動する――そんな志を持つ多くの仲間と一緒に、歴史ある企業の未来をITデジタルの力で変革していきたいと思っています。
プロフィール
小澤 稔弘
執行役常務 IT デジタル統括部長
大学院卒業後、大手 SI 会社に入社。その後も IT コンサル会社や事業会社の IT 領域でキャリアを積み上げた。
CIO 経歴は 20 年間にも及び、事業会社 IT の可能性や付加価値向上に尽力。
2026 年から JFR 執行役常務としてグループの IT デジタル機能を統括し、あらたな改革に挑戦する。