中期経営計画
Medium-term Business Plan
中期経営計画の策定について
当社グループを取り巻く経営環境は、想定を超える規模とスピードで変化しています。なかでも新型コロナウイルス感染症の拡大は国内外の社会・経済活動に甚大な影響を及ぼすこととなりました。
こうした未曾有の経営環境のなか、早期の収益回復及び財務体質の改善と成長戦略を並行して進めるため、中期経営計画を策定するにあたり、2030年にどのような企業グループでありたいか、目指す企業像とその実現に向けた戦略の方向性を描き、その上で、3年間に集中して取り組むべき具体的な戦略・施策を定めました。
本中期経営計画は、財務数値を2019年度水準に戻しコロナ禍からの「完全復活」を果たすとともに、2024年度以降の「再成長」への道筋をつける期間と位置づけ、スピード感ある経営を行っていきます。
サステナビリティ経営の推進
(1)社会的価値と経済的価値の両立
当社グループは300年、400年という歴史の中で数々の危機に遭遇してきました。そうした状況に直面するたびに、社是「先義後利」に立ち返り、お客様や社会の変化に向き合い、事業活動を愚直に実践してきたことが、今日の経営に繋がっていると考えています。
また企業には、経済的価値に加え、環境や社会、人権など多くのサステナビリティに関わる課題に向き合い、事業を通じて解決を図る役割・責任が強く求められています。
当社グループは社是に基づき、サステナビリティを経営の中核に据え、事業活動を行うことで社会的価値と経済的価値を両立した経営を行っていきます。

(2)ステークホルダーの「Well-being Life」実現
本中期経営計画においては、「お客様の健康・安全・安心なくらしの実現」と「サーキュラー・エコノミーの推進」を新たに加えた7つのマテリアリティを設定し、これらに基づく事業活動を推進することにより、すべてのステークホルダーの「Well-being Life」の実現に貢献していきます。

戦略の方向性
2030年の目指す企業像を実現するにあたり、当社グループへの影響が大きい外部環境変化は、①国内人口が減少するなか「都市部商圏の底堅さ」、②「人」を介した情報と信頼性が見直される「リアルとデジタルの融合」、③「所得や消費の二極化の進行」の3つと捉えています。
また当社グループが有する強みは、①東京、名古屋、大阪、福岡、札幌など国内主要都市の店舗不動産資産、②店づくりや店舗周辺の街づくりで培った商業プロデュース能力、③優良なコンテンツを持つ取引先や専門店及び、独創的なクリエイターなどのパートナー、④アクティブなライフスタイルを楽しむ優良な顧客基盤の4つと認識しています。
2021-2023中期経営計画
(1)中期経営計画の位置づけ
完全復活と再成長への着手
本中期経営計画は、最終年度2023年度に財務数値を2019年度水準に戻し、コロナ禍からの「完全復活」を果たすとともに、2024年度以降の「再成長」への道筋をつける期間と位置づけます。
現在も、感染症の拡大は、社会や経済活動に甚大な影響を及ぼしており、本中期経営計画の期間においても、各事業への直接的な影響は当面継続すると想定しています。
このようななか、早期の収益回復を図るため、重点戦略「リアル×デジタル戦略」では基幹店の改装及びデジタル投資、「プライムライフ戦略」では百貨店外商を基盤とした顧客基盤強化に集中し取り組んでいきます。
「デベロッパー戦略」は、中長期的な成長ドライバーとして、本計画期間中から先行して投資配分を増やしていきます。 あわせて完全復活に向けた重要施策として「経営構造改革」を遂行し、固定費の削減や、有利子負債の圧縮を進めていきます。

(2)経営数値目標
- 本中期経営計画より、資本収益性を管理する指標として新たにROIC(投下資本利益率)を採用します。
- 2023年度に連結営業利益403億円、ROE7%、ROIC5%の達成を目指していきます。
- サステナビリティの目標として、温室効果ガス排出量の40%削減や女性管理職比率26%の達成を目指していきます。

(3)財務政策
- 3年間で1,900億円以上の営業キャッシュ・フローを創出し、うち900億円を成長投資と設備投資に充当します。投資は2023年度までに利益貢献する案件及び「デベロッパー戦略」に優先的に配分します。
- 有利子負債は2023年度末に2,600億円に圧縮いたします。
- 連結配当性向30%以上を目処に株主還元を実施し、自己株式取得も適宜検討していきます。

※1使用権資産に係る減価償却費を含む
※2リース負債を除く
長期的な利益成長、事業ポートフォリオの考え方
2030年度目標 連結営業利益800億円、ROE10%
- 2024年度以降、年率換算10%超の利益成長により、2030年度の連結営業利益800億円及び、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)10%の達成を目指していきます。
- 2030年の事業ポートフォリオにおける、デベロッパー事業と決済・金融事業等の連結営業利益に占めるシェアを、2019年度の2割から4割に高めていきます。
- 2021年度より報告セグメントを「百貨店事業」「SC(ショッピングセンター)事業」「デベロッパー事業」「決済・金融事業」の4つとします。
