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芸術・文化への貢献

Contribution to Art and Culture

アートのある暮らしを提案

伝統的な美術から現代アートまで、国内外の人気作家などをより気軽に身近にお楽しみいただけるよう、当社百貨店主要店舗内に設置した美術館、ミュージアムやイベントホールにおいて、絵画、工芸、写真、版画など幅広い分野の話題性あふれる展覧会や各種イベントを随時開催し、ご来店のお客様に心豊かな生活のご提案と地域への文化貢献をはかっています。
松坂屋名古屋店南館にある松坂屋美術館は、照明、温湿度管理、消防用設備、展示物の搬出入などに関して、計画策定時から登録博物館と同等レベルを目指し美術館専用の設計・施工を行なったため、百貨店に設置された美術館としてはトップレベルの本格的な美術館であると同時に、国内の有名美術館、博物館にも匹敵する設備を持つ有数の美術館となっています。1991年の開館から今日まで、国内はもとより世界中の美術館・博物館などと協賛した展覧会を絶えることなく開催し、開館以来の入館者数は約1,112万人(2018年2月末日までの延べ入館者数)を誇り、ご来店されたお客様、地域の方々から高い評価をいただいています。

松坂屋美術館 エントランス
松坂屋名古屋店 南館7階

松坂屋コレクションを海外美術館に出品

一般財団法人 J.フロント リテイリング史料館(以下、J.フロント史料館)は、独立行政法人国際交流基金とフランス国立ギメ東洋美術館(以下、ギメ美術館)との共催で、2017年2月22日〜5月22日の約3カ月間、パリにあるギメ美術館において、「Kimono, au bonheur des dames展」(着物・オ・ボヌール・デ・ダム展)を開催しました。
この展覧会では、J.フロント史料館と名古屋市博物館が所蔵する5,000点を超える松坂屋コレクションから小袖、帯、婚礼道具、浮世絵等選りすぐりの120点を海外初展示しました。着物に影響を受けた著名なファッションデザイナーの作品を展示し、着物が現代ファッションへ果たした役割を説明しました。
J.フロント史料館では、こうした大切な文化資産を維持管理、公開・展示運営を行い、芸術・文化に貢献していきます。

江戸時代の小袖

松坂屋コレクション(能装束4点)が重要文化財指定

一般財団法人J.フロントリテイリング史料館が所有する能装束4点が、2018年3月9日(金)に開催された文化 審議会の答申を受け、重要文化財の指定を受ける運びとなりました。

松坂屋(現大丸松坂屋百貨店)は、明治時代から積極的に呉服の服飾意匠の開発とデザイナーの育成に 努めておりましたが、1931 年(昭和6)から 39 年(昭和 14)にかけて、「時代衣裳を収集し、染織意匠の向上 と優秀呉服の制作に資する」ことを目的に、染織史上において価値のある衣裳や裂地(きれじ)、雛形本など、 数々の染織関連品を収集しました。それらを後世に残すため、1957 年(昭和 32)に当時としては最高レベルの空調・防災設備を備えた「染織参考館」を京都に建設し、貴重な文化財を大切に保存してまいりました。 その後、収蔵品は 2010 年(平成 22)に松坂屋創業の地である名古屋へ移管され、その大部分は J.フロント リテイリング史料館に引き継がれて「松坂屋コレクション」と呼ばれています。

J.フロントリテイリング史料館では、約 1,500 点の松坂屋コレクションを所有しており、新たに指定を受ける運びとなった4点は、「桃山〜江戸時代初期の能装束で、形状を留めて残って いる現存品は少ない。しかし、本件は非常に良好な状態で残っており、当時代の能装束の特徴をよく留めて いる点で貴重である」との評価をいただきました。 文化財保護法の趣旨に則り、この貴重な国民的財産でもある文化財を今後も大切に保存していくとともに、 できるだけ公開するなど文化的活用に努めてまいります。

紺地菖蒲蓬菊桐文様小袖
こんじしょうぶよもぎ
きくきりもんようこそで
萌黄地紋入格子縞藤文様片身替厚板
もえぎじもんいりこうししま
ふじもんようかたみがわりあついた
薄黄地紋入格子鱗文様肩裾厚
うすきじもんいりこうしうろこ
もんようかたすそあついた
茶地紋入格子文様厚板
ちゃじもんいりこうしもんようあついた
撮影:青木信二

J.フロント リテイリング史料館

当社グループが所蔵する文化資産を未来に継承すると共に、学術文化に寄与することを目的として、2011年3月に、「一般財団法人J.フロント リテイリング史料館」を設立しました。具体的な事業としては、①呉服デザイン・意匠・史料の維持管理 ②グループの中核である株式会社大丸松坂屋百貨店の創業・歴史に関係する史料の維持管理などです。
同史料館の所蔵品は、呉服商として長い歴史を持つ松坂屋が、高級オリジナル呉服制作において、時代染織品の優れたデザインや染織の技などを活かす目的で江戸時代の小袖をはじめとする染織品の収集を行ってきたことによりますが、その所蔵品は、小袖・能装束をはじめ古代裂や諸外国の裂地を含む裂地類・調度品など多種多様です。
同史料館は、こうした大切な文化資産を維持管理、公開・展示運営を行い、芸術・文化に貢献していきます。

大丸呉服店 東京店(明治時代)
いとう呉服店(松坂屋)名古屋店(明治時代)

お客様の健康・安全・安心なくらしの実現