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JFRグループが目指すサーキュラー・エコノミー

The Circular Economy the Group aims to create

循環型社会の実現

大量生産・大量消費・廃棄が前提となる直線型のリニア・エコノミーにより、資源不足、地球温暖化、廃棄物処理の問題など様々な地球環問題が深刻化する中、廃棄を減らし資源循環を実現するサーキュラー・エコノミーの重要性が高まっています。当社グループは、環境課題に係るリスク低減と、新たなビジネス機会獲得の両立を目指し、お客様やお取引先様とも協働しながら資源循環の取り組みを加速させていきます。

JFRグループ 循環型モデルの構築

リユース事業の立ち上げ(買取)

当社は、2025年3月、株式会社コメ兵と合弁会社「株式会社 JFR & KOMEHYO PARTNERS」を設立し、リユース事業を立ち上げました。2025年夏以降、大丸、松坂屋、PARCOに買取専門店「MEGRÜS」(めぐらす)を順次展開する予定です。価値あるものが人から人へ受け継がれ、長く大切に使われることを通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

MEGRÜSのロゴ画像
JFR & KOMEHYO PARTNERS ビジネススキーム
MEGRÜS松坂屋名古屋店

Voice
株式会社 JFR & KOMEHYO PARTNERS 代表取締役社長 下垣 徳尊さん

株式会社JFR & KOMEHYO PARTNERSは、「人生のステージとモノの価値をつなぎ、笑顔社会を実現するサーキュラーステーション(循環経済の拠点)へ。」をビジョンとし、持続可能な社会の実現を目指して設立した合弁会社です。本事業は、コロナ禍をきっかけに死生観を見つめ直す人々が増え、所有物を整理しようという終活意識が高まる中、百貨店のお客様にもリユースのニーズがあることに気づいたことがきっかけで誕生しました。
MEGRÜSで循環させるものは、資源であると同時に「ときめき」でもあります。単にモノを買取るだけでなく、お客様がときめきを感じ、楽しみながらサーキュラー・エコノミーの輪に自然と参加できるようなサービスを提供していきます。

環境に配慮したファッションサブスクリプション事業 AnotherADdress

2021年3月にスタートしたファッションサブスクリプション事業「AnotherADdress (アナザーアドレス)」は、“服は使い捨てではない”という信念のもと、ファッションの本質的な価値や、サステナブルな取り組みを重視し、社会や環境にとって持続性の高いビジネスモデルへ転換することを目指すサービスです。
大丸松坂屋百貨店が事業主体となり、物流、配送、クリーニング、リサイクルなど各事業者とのパートナーシップにより、お客様に洋服をお届けしています。

サステナブルな取り組みの強化

2025年5月末時点で、登録会員数は30万人を超え、累計レンタル数は約400,000着となる等、非常に多くのご支持をいただいています。現在は、440を超える取り扱いブランド数へ拡大し、「安心保証サービス」「サイズ比較ツールの導入」「返品システムの変更」など、お客様からご要望のあった新たなサービスの導入・改善を行っています。
2023年3月より事業拡大に合わせて、再利用可能なガーメントバッグを用いた日本初の循環型配送を導入しました。これにより、お客様への配送時における段ボールの使用を全廃し、ビニールの使用量も30%削減(当社比)を実現します。
2023年3月、お客様からの要望が多かったメンズアイテム、同年9月にはアートを新たにラインナップに加えました。男性のお客様はもちろん、ジェンダーレスにファッションを楽しみたいという幅広いニーズに応えることで、ファッションの愉しさを「より自由に」「より多くの方に」提供していきます。

2024年度には環境省が選定する環境配慮行動普及促進事業費補助金及び二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)推進事業)に採択され衣類循環アップサイクルプロジェクト「roop」を実施し、2025年度もプロジェクトを継続して実施いたします。

2025年6月には、法人向けサービス「AnotherADdress.biz」を開始し、サステナブルな仕組みのもと、サービス品質の向上とコスト削減をサポートします。
アナザーアドレスは、今後も環境配慮型のビジネスモデルを追求していきます。

カーボンフットプリントを活用した環境貢献度の可視化

2025年3月、株式会社BiSUSと連携し、衣服1枚を1回レンタルする際の温室効果ガス排出量の定量化に取り組みました。アナザーアドレスを1年間利用することで、年間13着の衣類を新規購入した場合と比べ、250kg-CO₂の削減に貢献できます。
それを「AnotherADdressの環境貢献度」として7つのステージで可視化します。ファッションサブスクリプションで毎月自由にファッションを楽しむ中で自然とアクションポイントが貯まり、ステージごとにお客様の温室効果ガス削減貢献度がわかる“AAD SUSTAINABILITY ACTION”をスタートしました。

Voice
大丸松坂屋百貨店 デジタル戦略推進室 DX推進部 部長 アナザーアドレス 田端 竜也さん

この事業を開始して、お客様からは「アナザーアドレスで借りたお洋服を友人に褒められました。」「おしゃれが好きになりました」といったお声をいただいています。私たちがお客様にお伝えしたいのは“FASHION NEWLIFE”。おしゃれをすることの楽しさです。
アナザーアドレスでは、お洋服の洗濯・取り扱い方法もお伝えしています。レンタルしたものだけでなく、お手持ちのお洋服をより長く着用いただくためにどうしたら良いか、お客様が自然にサステナブルな生活を楽しんでいただくように努めています。
事業開始当初は、ブランド様にご理解いただくのが大変な時期もありましたが、当社が流通プロセスを変革して循環型モデルに取り組むということをお伝えしています。お取り扱いを始めたお洋服をより長く楽しんでいただくために、当社が責任をもって取り組んでいることに共感・ご理解いただくことが増えました。
アナザーアドレスは、まだ始まったばかりです。一人でも多くの方に、まずは体験していただき、いままで袖を通したことのないお洋服との出会い、ファッションの楽しさを知ってもらいたいです。

お客様とともに取り組む「エコフ」

大丸松坂屋百貨店が2016年度からスタートした「エコフ」は、百貨店の店頭において、お客様から不要な衣料品や靴、バッグなどを回収し、リユースや新たな素材や製品にリサイクルする持続可能な取り組みです。お客様の環境意識の高まりと積極的な参加によって毎年成長を続け、2024年度の回収量は323t (2016年度からの累計回収量2,168t)となりました。
回収した衣料品・靴・バッグはこれまでも海外でリユースしていましたが、2024年春の開催からは、タイやカンボジアの古着屋を通じて必要としてくださる方々にお届けできるよう連携し、サプライチェーンの透明性を高めました。

衣類・ファッション雑貨の不要品回収「PASSTO (パスト)」

パルコは、2024年6月より順次、株式会社ECOMMITと、地域の廃棄物の削減資源循環への貢献を目的として、不要品の回収・選別・再流通を一気通貫で行うECOMMITのサービス 「PASSTO」を5店舗(吉祥寺・ひばりが丘・調布・ 錦糸町・福岡)に導入しました。

石膏ボードの水平リサイクル

大丸松坂屋百貨店の内装工事においては、2025年度の松坂屋名古屋店の改装を皮切りに、①100%リサイクル石膏ボードの使用と、②解体工事で発生する廃石膏ボードを100%石膏ボードの再原料化が可能な工場へ搬入することで、石膏ボードの水平リサイクルに取り組んでいます。
また、J.フロント建装では、解体現場から搬出される石膏ボードを施工現場では適切に処理し、その多くを資源リサイクルに回してきました。そこからさらに踏み込み、石膏ボードの主成分である硫酸カルシウムを土壌改良材に活用する仕組みに着目し、現場での分別に手間はかかりますが、処理会社を通じて土壌改良材としても活かしています。

石膏ボード水平リサイクルの流れ

装飾にアップサイクル

大丸松坂屋百貨店は、季節ごとに入れ替えが生じるイベント装飾物の廃棄に課題意識を持っています。
2022年のクリスマスシーズンに、松坂屋名古屋店で展示されたネップ・アート クリスマスツリーは、廃棄予定のコットンをリサイクルした紙で作られた青森県五所川原の立佞武多(たちねぷた)を、さらにアップサイクルして制作されました。展示後は、丁寧にはがされた後、青森県産の流通されない規格外のリンゴで醸造したシードルのラベルに活用されました。

環境と共に生きる社会をつくる