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百貨店革新

Innovation of Department Store

ハイブリッド型百貨店「大丸心斎橋店本館」

百貨店が抱える複合的課題克服に向けた、百貨店事業革新の象徴と位置づけるビッグプロジェクト――2019年9月20日、大丸心斎橋店新本館は、店舗空間、店づくりからオペレーションまで「伝統」と「革新」が融合された、これまでに類を見ない“エクスクルーシブ”な店舗として生まれ変わりました。外観および内装の一部には、かつての心斎橋店を彩った“ヴォーリズの建築美”を随所に活かしながら、現代のデザインを融合させ、リアル店舗ならではの“体験価値”を提供する商業空間を創造しています。

孔雀のレリーフ
エレベーターホール

一方、ビジネスモデルは、従来の百貨店とはまったく異なり、全体面積の約65%を定期賃貸借の売場で構成するといった斬新なレイヤー構造をベースとしたものとなります。伝統的な百貨店は、かつては買取が主体でしたが、その後在庫を持たない消化仕入という取引形態が現れ、80年代にはその割合が8割を占めるようになりました。しかし、今日のような低成長かつ不確実性の高い時代には、消化仕入への過度な依存は新規性あるマーケットへのチャレンジを疎かにするだけでなく、収益性の低下を引き起こすといったリスクを高めることにもつながります。そのため、店舗の魅力化と収益の最大化を実現する新たなビジネスモデルとは何かを追求し、そのひとつの答えが心斎橋店新本館で具現化することになりました。お客様の視点ではまったくのシームレスでありながら、買取・消化仕入の利点と定期賃貸借の利点を最適バランスでミックスした、新時代のハイブリッドな百貨店ビジネスモデルです。

そして、この新たなトライアルで得られた成果を、各店舗やエリア特性によってカスタマイズしながら、“拡張性ある新たな百貨店ビジネスモデル”として、順次展開していきたいと考えています。

ESG視点のフラッグシップ店舗としても

当社は「持続可能な社会」の実現に向け、当社として優先すべき重要課題を7つのマテリアリティ(※1)として特定し、その成果創出に全社をあげて取り組んでいますが、この心斎橋店新本館はそうした視点による店づくりであることもポイントです。具体的には、館内で使用するすべての電力に再生エネルギーを使用しているほか、館内照明はバックヤードを含め、すべてLED化しました。また、館内物流の一括管理による納品作業時間の削減や搬出入の混雑解消、さらに環境配慮型包装資材の利用促進、エコフ(※2)活動による衣料品回収ボックスの常設化など、お客様やお取引先のご協力も得ながら低炭素・循環型社会への取り組みを積極的に展開していきます。

※1)当社の7つのマテリアリティとは:「脱炭素社会の実現」「サーキュラー・エコノミーの推進」「サプライチェーン全体のマネジメント」「地域社会との共生」「お客様の健康・安全・安心なくらしの実現」「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「ワーク・ライフ・インテグレーションの実現」
※2)当社が進める衣料品・くつ・バッグなどのリサイクルキャンペーン

重点施策