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トップメッセージ

Top Message

2021~2023年度の中期経営計画では、コロナ禍からの完全復活を早期に果たすべく、リアルデジタル戦略、プライムライフ戦略およびデベロッパー戦略という3つの重点戦略を推進するとともに、固定費の圧縮や低稼働・不採算事業の整理など経営構造改革にも取り組みました。さらに、CVCファンドの立ち上げやeスポーツ事業への参入などイノベーション創出に向けたこれまでにない新たなチャレンジもスタートさせました。

コロナを契機に、消費の質は大きく変化し、そうした動きを当社グループは着実にチャンスにつなげました。若年層を含めた富裕層市場の拡大や、訪日客の多様化を伴ったインバウンド市場の急速な回復など、マーケットの変化を取り込み、リテールが牽引するというかたちでグループとしての完全復活を視界に入れることができました。フォローウインドもありましたが、戦略に基づく諸施策を具体的な成果に結びつけることができたものと考えています。

しかし、将来に目を向けると対応すべき課題はむしろ満載であると認識しています。長く経験したことのないインフレが本格化し、一方では急速な人口減少社会が間近に迫るなど、今後の経営環境はこれまで以上に大きく変化することが予想されます。そうした中で、当社グループがいかに中長期的な成長を実現していくのか。これまでの経験則だけにとらわれていてはすぐに限界が見えるのは明らかです。

私は、この3月から当社グループをリードするバトンを引き継ぎました。年齢は多様性における個性のひとつに過ぎませんが、中長期を見据えて思い切った変革を進めていく上で若さが武器になるとも認識しています。本年4月の本決算と同時に発表を予定している2024~2026年度中期経営計画では、中核事業のリテールの進化・深化とともに、デベロッパーの本格成長や新たな顧客創造に向けた探索をはかり、グループとしての確固たる成長基盤の構築を目指していきます。

現状PBR1倍前後にとどまる当社に足りないもの、それはまさに中長期的な視点での当社への期待値であるととらえています。会社と社会の未来を考え、あるべき姿に向けた変革へ果断に取り組み、ステークホルダーの皆様と共創をはかりながら、グループの新たな成長を実現する未来への解像度を上げていきたいと考えています。

2024年3月

J.フロント リテイリング株式会社
代表執行役社長

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