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大丸心斎橋店本館建替え

Rebuilding of Main Building of Daimaru Shinsaibashi Store

“百貨店の未来形”を、創造する。

大丸心斎橋店 新本館 完成予想図

百貨店が抱える構造的課題

日本百貨店協会統計では、全国百貨店売上は1991年の9.7兆円をピークに、下降トレンドが継続しています。その要因はオーバーストア状況、人口動態の変化、地方経済の縮小、グローバル化、消費の質の変化、お客様の変化など複合的ではありますが、当社として解決すべき重要な課題のひとつは、1980年代前半に急速に拡大したファッション衣料に過度に依存した店舗構造にあるものと考えています。

総務省の家計調査によれば、「1世帯あたり年平均1ヶ月間の消費支出」に占める被服への支出割合は、1991年には7.3%であったものが2017年には3.8%まで低下しております。この背景には、ファッションのグローバル化とカジュアル化の進展とともに、特に若い世代を中心とした自己表現のあり方や価値観の大きな変化、さらにはネットへのシフトなどがあるものと考えています。

一方、こうしたお客様の購買行動の変化にもかかわらず、百貨店店舗の売場構成は、80年代後半以降、基幹店において婦人服の売場面積が肥大化した状態が続いています。このギャップを是正するため、今中期計画期間中に2016年度比較でおよそ30%、面積としておよそ16,000㎡の圧縮を予定しています。

そして、圧縮により新たに生まれたスペースでは、成長性や集客力のあるカテゴリー、コンテンツの拡張をはかりたいと考えています。捻出されたスペースにおいては、ビューティーや食品、生活雑貨などを組み合わせた新たな編集売場の展開やコト消費・体験型消費を意識したブランド導入など、店舗ごとのマーケット変化に対応したMD変更を順次推進し、変化に対応した店づくりを推進していきます。

消費支出のうち「被服履物」への支出額と割合の推移
出展:総務省家計調査「1世帯当たり年平均1か月間の支出̶ 二人以上の世帯」より

未来を見据えた、大丸心斎橋店本館建替え

百貨店の複合的課題克服に向け、百貨店事業革新の象徴と位置づける、大丸心斎橋店本館建替えプロジェクト。心斎橋店本館は2019年9月下旬のオープンを目指し、現在建替えを進めておりますが、新たな本館では、品揃え、サービス、環境などすべてにおいて、これまでの百貨店では見たこともない、百貨店の未来の方向を示す革新的な“新百貨店モデル”を具現化したいと考えています。

心斎橋店の強みは、多くの富裕層顧客を有すること、そして日本一のインバウンド顧客の吸引力を持つことであります。こうした強みをさらに増幅させた店づくりを目指すとともに、新たなサービスや体験など“リアル店舗でしか味わえない付加価値創造”に取り組みたいと考えています。

併せて、「買取」「消化仕入」「不動産賃貸」という3つの取引形態の展開ミックスを抜本的に見直し、バランスの最適化はかることにより、革新的かつ収益性の高い“新百貨店モデル”を具現化したいと考えています。

パルコとのシナジーで北館ビジネスモデルを転換

そして、本館建替え完成後、現在百貨店を展開している北館は、不動産賃貸型にビジネスモデルを大きく転換します。北館は地下2階、地上14階のフロア構成となっていますが、そのうち地下2階から地上7階の大型核テナントとして、「パルコ」を出店させることが決定しました。

大阪地区では、パルコ業態は空白地帯であり、多くの地元のお客様からパルコの出店が強く待ち望まれていました。このプロジェクトは、そうしたご期待に応えるとともに、パルコが進めるストアブランド力向上に向けた施策として、重要な位置づけとなるものと考えています。また、当社が進めるアーバンドミナント戦略の重点エリアへの出店という面でも、大変意義深いものとなります。

この北館で行われる「百貨店」と「パルコ」による店舗施設の本格的な大型共同開発は、「上野フロンティアタワー」に次ぐ2つめの事例となりますが、この取り組みを通じ、さらなるグループシナジーの創出拡大をはかっていきます。

そのうえで、これらの新しい本館と北館の2つを接続することにより、あわせて80,000㎡を超える、斬新かつ収益性の高い、ハイブリッドな商業施設を創造することを通じて、幅広い顧客を広域から動員し、地域に新たな賑わいをもたらせたいと考えています。

新たな大丸心斎橋店本館と北館の構造
●新本館完成後、心斎橋店北館は「不動産賃貸型」へビジネスモデル転換
●中核テナント「PARCO」はB2階~7階に展開。上層階は不動産事業部が運営
●大丸松坂屋百貨店とパルコとの共同開発でさらなるグループシナジーを創出
心斎橋店周辺地区マップ

未来定番研究所

5年後の未来には、どんな暮らしが待っていて、どんなツールが主流になっているのか、そしてどんなものを着て、どんなものを食べて、どんなことを体験しているのか―当社は、従来の百貨店の枠を超えて、未来の定番となるものを提案、発信していくため、2017年に「未来定番研究所」を新たに設立しました。様々なクリエーターや文化人、大学や、地域、NPO、そして、多くの企業と接点を持ちながら“異分子結合”を推進し、未来の定番となるようなモノやコトを“発明”していきたいと考えています。

重点施策