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環境マネジメント体制の構築に向けて

SBTイニシアチブの認定取得

JFRグループが設定した温室効果ガス削減目標が、2019年10月、国際的なイニシアチブである「SBT(Science Based Targets)イニシアチブ※」により、科学的根拠に基づいた目標として認定されました。

SBTイニシアチブは、2018年10月に公表された「IPCC1.5℃特別報告書」を受けて、2019年10月に、産業革命前からの気温上昇の上限を「2℃」とする現在の基準から、「2℃を十分に下回る」または「1.5℃」とする2つの基準を加えて、3 段階の基準を設定しました。

当社が設定した目標はその認定基準のうち2番目に厳しい「2℃を十分に下回る」目標として認定されています。

主要事業会社である大丸松坂屋百貨店では、温室効果ガス削減目標達成に向け、本社ビル(東京都江東区)や大丸心斎橋店における再生可能エネルギー電力の100%使用などの取り組みを進めています。このような取り組みの成果により、2018年度のJFRグループ温室効果ガス排出量は、Scope1・2で基準年である2017年度比で6.0%の削減を実現しました。当初、SBT達成に向けた2018年度の温室効果ガス削減目標は、同範囲で2017年度比3.9%削減と設定しており、当社グループの温室効果ガス削減量は順調に推移しています。

当社グループは、SBTで認定された温室効果ガス削減目標達成のため、今後も再生可能エネルギー電力シェアの拡大や省エネの強化など、より一層、積極的な施策に取り組んでいきます。

※ 産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標達成を推進することを目的として、CDP、国連グローバル・コンパクト、 WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4団体が2015年に共同で設立。

SBTイニシアチブが要求する削減基準

TCFD提言への賛同

JFRグループは、2019年5月、金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosure)」提言に賛同しました。

これを受けて国内では、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関の適切な投資判断に繋げるための取り組みについて議論する場として、2019年5月27日に、「TCFDコンソーシアム」が設立され、当社も参画しました。「TCFDコンソーシアム」が主催するワーキンググループにも積極的に参加しており、投資家や金融機関との建設的対話に結び付けていきたいと考えています。

今後は、当社グループの気候変動への取り組みについて、TCFD提言に沿った効果的な情報開示を行っていきます。

環境マネジメントのガバナンス

JFRグループでは、代表執行役社長を委員長としたサステナビリティ委員会を半期に一度開催することにより、温室効果ガス排出量削減目標達成に向けた、各事業会社の実行計画の共有および進捗状況の管理を行っています。さらに、取締役会ではサステナビリティ委員会で論議された内容の報告を受け、ESG課題への長期目標や取り組み進捗についての監督・論議を行っています。

また、各事業会社においても個別に温室効果ガス削減目標を設定しています。大丸松坂屋百貨店と消費科学研究所の2社は、ISO 14001 環境マネジメントシステムの認証を取得し、年に1回、外部による監査を受審するなど、環境活動を推進しています。

今後も、当社グループは温室効果ガス削減目標達成に向けて、環境マネジメントにおけるガバナンスの強化に努めていきます。

環境データ算定・集計ルールの策定

FRグループは、国内外において、百貨店店舗や事務所など400を超える活動拠点を展開しています。温室効果ガス排出量削減目標達成のために、当社グループの事業会社別および拠点別での温室効果ガス排出量を正確に算定するなど、グループ全体で標準化された環境データ算定・集計の仕組みが必須であると認識しました。その基盤づくりの一環として、2019年6月、Scope1・2温室効果ガス排出量算定・集計ルールを策定しました。

そのプロセスでは、はじめに、当社グループのScope1・2温室効果ガス排出量算定・集計の範囲の設定を行いました。温室効果ガス排出量算定・集計データの網羅性を確保するため、Scope1・2に該当する当社グループの活動拠点、期間、排出ガスの種類を明確にしました。

次に、温室効果ガス排出量を月度単位で進捗管理する仕組みを整備しました。温室効果ガス排出量算定・集計データの正確性を確保するため、月度の環境データ入力およびチェック体制、またエネルギー使用実績の裏づけとなる証書類の管理方法等を明確にしました。

次に、温室効果ガス排出量を月度単位で進捗管理する仕組みを整備しました。温室効果ガス排出量算定・集計データの正確性を確保するため、月度の環境データ入力およびチェック体制、またエネルギー使用実績の裏づけとなる証書類の管理方法等を明確にしました。

第三者保証の取得

FRグループは、ステークホルダーに公表する環境マネジメント体制の実効性やエネルギー使用量および温室効果ガス排出量実績値に関して、第三者機関により正確性および信頼性を確保し評価されることが、着実な削減に向けて重要であると考えています。そのため、2019年7月、JFRグループとして初めて2017年度および2018年度のScope1・2のエネルギー使用量および温室効果ガス排出量、また、その算定方法や適切性について、ロイドレジスター クオリティ アシュアランス リミテッド(LRQA)による独立保証声明書を取得しました。

第三者機関における検証のプロセスとして、J.フロント リテイリングにおける算定・集計データのガバナンスの実効性の検証を実施しました。また、当社グループの温室効果ガス排出の現状を踏まえた、大丸松坂屋百貨店およびパルコの主要店舗の実地検証を実施しました。第三者機関からは、グループ全体で400を超える拠点のエネルギー使用実績を網羅的に算定・集計できていることや、それぞれのデータの裏づけが取れる証書等によって正確に算定・集計できていることなどが評価されました。

今後も、Scope1・2のエネルギー使用量および温室効果ガス排出量実績値の第三者保証取得に向けた取り組みを継続します。さらに2019年度からは、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減に向けて、Scope3温室効果ガス排出量の算定・集計プロセスの精度向上および環境マネジメント体制の構築に取り組み、第三者保証取得を目指します。

独立保証声明書

2018年度環境パフォーマンスデータ(Scope1・2)

JFRグループ 温室効果ガス排出量およびエネルギー使用量

2017年度(基準年)

2018年度

増減率

温室効果ガス
排出量(t-CO2)

194,154

182,566

▲6.0%

電力使用量(kWh)

333,514,110

328,899,897

▲7.1%

都市ガス使用量(㎥N)

5,625,325

5,366,712

▲4.7%

蒸気・冷温水
使用量(MJ)

233,130,037

237,488,273

1.9%

重油使用量(kl)

6

6

0%

ガソリン使用量(kl)

708

655

▲7.5%

天然ガス使用量(㎥N)

1,040

1,083

4.3%

フロン(kl)

1,504

2,137

42.1%

※ロイド レジスター クオリティ アシュアランス リミテッド(LRQA)による第三者保証を受けています。

JFRグループ 事業会社別温室効果ガス排出量単位:t-CO2

2017年度

2018年度

排出量

排出量

シェア

対前年

(株)大丸松坂屋百貨店 ※1

147,884

137,516

75.3%

▲7.0%

(株)パルコ ※2

42,981

41,918

22.9%

▲2.5%

(株)J.フロント建装

553

553

0.3%

▲3.5%

(株)ディンプル

137

116

0.1%

▲15.7%

大丸興業(株) ※3

469

461

0.3%

▲1.8%

(株)J.フロントフーズ

371

389

0.2%

4.8%

(株)消費科学研究所

196

162

0.1%

▲17.2%

(株)エンゼルパーク

970

936

0.5%

▲3.5%

(株)JFR情報センター

445

373

0.2%

▲16.1%

J.フロント リテイリング(株)

148

161

0.1%

8.7%

J.フロント リテイリンググループ 合計

194,154

182,566

100.0%

▲6.0%

※1 (株)大丸松坂屋セールスアソシエイツ、(株)大丸松坂屋友の会、JFRカード(株)、(株)JFRサービス、(株)JFRオンライン、(株)博多大丸、(株)高知大丸、(株)下関大丸を含む。
※2 (株)ヌーヴエイ、(株)パルコスペースシステムズ、(株)パルコデジタルマーケティング、PARCO(Singapore)Pte Ltd、(株)ジャパン・リテール・アドバイザーズを含む。
※3 大丸興業国際貿易(上海)有限公司、大丸興業(タイランド)(株)、台湾大丸興業股份有限公司を含む。

大丸松坂屋百貨店の環境・社会活動マネジメントシステム推進体制

グループ・サステナビリティ方針を実現するため、推進体制として、業務本部長を「管理責任者」とし、各店・部門においては、実務を担当する「推進委員」を配置し、お取引先を含むメンバーへの教育・啓発を行っています。

*推進メンバーには、大丸松坂屋セールスアソシエイツ、大丸松坂屋友の会、JFRカード、ディンプル、J.フロントフーズ、JFRサービスを含む

環境・社会活動中期目標

大丸松坂屋百貨店では、グループ基本理念・ビジョン・環境・社会活動方針のもと、環境・社会的側面、内外の課題やリスクを踏まえて全社の中期目標を設定しています。

〈2017〜2021年度大丸松坂屋百貨店の環境・社会活動〉
(1)事業活動を通じた「環境にやさしいライフスタイルの提案」および「お客様の参画に基づく社会貢献活動の推進」
(2)温室効果ガス排出量の削減(低炭素社会の実現)
(3)循環型社会の構築
(4)生物多様性の保全
(5)環境・社会活動マネジメントシステムを活用した継続的改善

〈数値目標〉
・2017〜2021年度の5ヵ年にエネルギー使用量を2021年度に原単位(使用量/延床面積×営業時間)で2016年度に対し5%を削減することにより、エネルギー使用に伴うCO2排出量を削減する。
※百貨店の事業活動におけるCO2排出量は空調、照明の使用に起因します。
・最終廃棄物処分量(廃棄物発生量-リサイクル量)を2021年度に原単位(最終廃棄物処分量÷売上高)で2016年度に対し5%削減する。
・食品リサイクル率を2021年度までに60%台に向上させる。

2017〜2021年度大丸松坂屋百貨店の環境数値目標

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
CO2排出量(原単位)*1

0.0424

0.0414

0.0410

0.0405

0.0401

エネルギー使用量(原単位)*2

0.0204

0.0197

0.0196

0.0195

0.0193

最終廃棄物処分量(原単位)*3

11.13

10.97

10.85

10.74

10.63

食品廃棄物リサイクル率 *4

59.8%

57.0%

58.0%

59.0%

60.0%

*1 原単位:CO2排出量(t-CO2)/営業時間(h)× 延床面積(㎡)
2018年度以降のCO2排出量目標は、2016年度のCO2排出係数をもとに算出しております。
*2 原単位:エネルギー原油換算量(kl)/営業時間(h)× 延床面積(㎡)
*3 原単位:最終廃棄物処分量(kg)/売上高(百万円)
*4 食品廃棄物リサイクル量/食品廃棄物発生量

VOICE
一般財団法人日本科学技術連盟 ISO審査登録センター
品質環境審査室 室長兼主任審査員 仲川 久史 様

2012年の審査から、これまで4回審査チームリーダーへの指導、そして2018年の審査では、直接審査チームリーダーを務めさせていただきました。

ISOマネジメントシステム規格は進化を遂げ、これまで以上に組織に対して、本来の事業目的を達成すべくことを求めるようになってきています。事業プロセスとマネジメントシステムとの統合をすべきことが明らかになっただけでなく、あらゆる事業環境にタイムリーに対応し、リスク対応していくことで、事業継続強いては他社との差別化、優位性を狙っているのが、規格改正の大きな特長でした。

大丸松坂屋様の環境マネジメントシステムは、すでに早くから事業活動と一体化したマネジメントシステムを自ら模索、システム構築され、その視点での審査を規格2004年版時代から認証機関に求めてきていました。そういう背景があったので2015年版への移行は、組織側も審査側も容易に、ベクトルを合わせられたと思います。大丸松坂屋様は「環境マネジメント」とは言え、狭義の自然環境対応のみならず、職場環境から地域環境までひろく捉え、いかに地域に事業を通じて社会貢献することができるかを考え、挑戦し、改善していくことが、システムの最大の柱となっています。CO2や廃棄物の抑制・低減はもとより、環境に優しい商品展開や、購買活動、そして地域へのさまざまな催事提案・実現は、まさにこの活動そのものとなっています。従って審査でも、規格側面以上に品質側面、安全側面といった可能な限り、課題とリスクへの挑戦に対する有効性評価をするよう努めてきました。

ひとえに事業目的を達成するに障害となる事象の検出と、すでに良い活動は高く評価する二面の審査を私どもにやりよいようにさせていただいたトップ他役員の協力の賜物とも言えます。マネジメントシステムを有用に活用され、また審査制度を利用され、組織に定着してきているマネジメントシステムのさらなるレベルアップと、各お店様がそれぞれに地域一番店として永く地域貢献されることに期待いたします。

低炭素社会への貢献