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JFRグループが目指すサーキュラー・エコノミー

The Circular Economy the Group aims to create

大量生産・大量消費・廃棄が前提となる直線型のリニア・エコノミーにより、資源不足、地球温暖化、廃棄物処理の問題など様々な地球環問題が深刻化する中、サーキュラー・エコノミーの重要性が高まっています。当社グループは、2021年度からマテリアリティに「サーキュラー・エコノミーの推進」を掲げ、環境課題に係るリスク低減と、新たなビジネス機会獲得の両立を目指しています。



JFRグループが強みとする領域でのサーキュラー・エコノミーの推進

当社グループは、従来から、廃棄物のリサイクルなど環境課題に係るリスク低減につながる3Rを実践し、ステークホルダーの皆様からの支持を獲得してきました。今後は、従来の3Rを基に、自社が強みとする領域(店舗運営、衣料品・化粧品・食品の取り扱い等)での取り組みを強化し、環境課題に係るリスク低減だけではなく、ビジネス機会獲得につなげる新たな3Rへ進化・拡大していきます。

サーキュラー・エコノミーの実現に向け、お取引先様やお客様と協働し「シェアリング」や「アップサイクル」を切り口とした新たなサーキュラー型ビジネスモデルに挑戦します。それにより、新たな環境価値を生み出し、サーキュラー・エコノミーにおける競争優位性を獲得します。

資源循環による環境負荷低減 お客様とともに取り組む「エコフ」

「エコフ」による不要品の累計回収量

大丸松坂屋百貨店はサステナブルな商品やライフスタイルを提案する「ThinkGREEN」活動に取り組んでいます。2016年度からスタートした「エコフ」は、百貨店の店頭において、お客様から不要な衣料品や靴、バッグなどを回収し、新たな素材や製品に再資源化・再利用化する持続可能な取り組みです。
お客様の環境意識の高まりと積極的な参加によって毎年成長を続け、2022年度の回収量は367t(2016年度からの累計回収量1,468t)となり、参加者も過去最高を記録しました。2023年春のキャンペーンでは、大丸福岡天神店と福岡PARCOが共同開催するなど、さらに取り組みを拡大しています。
なお、2022年度は、エコフ寄付活動の取り組みとして、環境課題解決に取り組む4団体 へ200万円の寄付を行いました。

「エコフ」回収BOX
コスメdeエコフ

環境に配慮したファッションサブスクリプション事業 AnotherADdress

2021年3月にスタートしたファッションサブスクリプション事業「AnotherADdress(アナザーアドレス)」は、“服は使い捨てではない”という信念のもと、ファッションの本質的な価値や、サステナブルな取り組みを重視し、社会や環境にとって持続性の高いビジネスモデルへ転換することを目指すサービスです。
大丸松坂屋百貨店が事業主体となり、物流、配送、クリーニング、リサイクルなど各事業者とのパートナーシップにより、お客様に洋服をお届けしています。

サステナブルな取り組みの強化

2022年2月末時点で、当初想定した会員数1,000名に対して、事業計画を大きく上回る6,700名超のお客様にご登録いただき、累計レンタル数は20,000着となる等、非常に多くのご支持をいただいています。さらに、オープン1周年を機に、取り扱いブランド数を2倍以上に拡大し、「安心保証サービス」「サイズ比較ツールの導入」「返品システムの変更」など、お客様からご要望のあった新たなサービスの導入・改善を行っています。
また、事業コンセプト“FASHION NEW LIFE”の実現を目指して、東京藝術大学や、三菱ケミカル社と連携しています。“森を纏い、森を育む”をテーマに、アナザーアドレスでファッションを楽しみながら、東京藝術大学が進める環境改善プロジェクト“藝大Hedge”の植樹活動を支援できるプログラムの実施や、ワコールとの”服の寿命を伸ばす取り組み”など、新たなサステナブルな試みに挑戦しています。
2023年3月、お客様からの要望が多かったメンズアイテムを新たにラインナップに加えました。男性のお客様はもちろん、ジェンダーレスにファッションを楽しみたいという幅広いニーズに応えることで、ファッションの愉しさを「より自由に」「より多くの方に」提供していきます。
また事業拡大に合わせて、再利用可能なガーメントバッグを用いた日本初の循環型配送を導入しました。これにより、お客様への配送時における段ボールの使用を全廃し、ビニールの使用量も30%削減(当社比)を実現します。アナザーアドレスは、今後も環境配慮型のビジネスモデルを追求していきます。

Voice
大丸松坂屋百貨店 経営戦略本部 DX推進部 アナザーアドレス 田端 竜也さん

この事業を開始して、お客様からは「アナザーアドレスで借りたお洋服を友人に褒められました。」「おしゃれが好きになりました」といったお声をいただいています。私たちがお客様にお伝えしたいのは“FASHION NEWLIFE”。おしゃれをすることの楽しさです。
アナザーアドレスでは、お洋服の洗濯・取り扱い方法もお伝えしています。レンタルしたものだけでなく、お手持ちのお洋服をより長く着用いただくためにどうしたら良いか、お客様が自然にサステナブルな生活を楽しんでいただくように努めています。
事業開始当初は、ブランド様にご理解いただくのが大変な時期もありましたが、当社が流通プロセスを変革して循環型モデルに取り組むということをお伝えしています。お取り扱いを始めたお洋服をより長く楽しんでいただくために、当社が責任をもって取り組んでいることに共感・ご理解いただくことが増えました。
アナザーアドレスは、まだ始まったばかりです。一人でも多くの方に、まずは体験していただき、いままで袖を通したことのないお洋服との出会い、ファッションの楽しさを知ってもらいたいです。



装飾にアップサイクル

大丸松坂屋百貨店は、季節ごとに入れ替えが生じるイベント装飾物の廃棄に課題意識を持っています。
2022年のクリスマスシーズンに、松坂屋名古屋店で展示されたネップ・アート クリスマスツリーは、廃棄予定のコットンをリサイクルした紙で作られた青森県五所川原の立佞武多(たちねぷた)を、さらにアップサイクルして制作されました。展示後は、丁寧にはがされた後、青森県産の流通されない規格外のリンゴで醸造したシードルのラベルに活用されました。

サステナブルな商業施設

渋谷PARCOは、2022年11月、4階を大規模リニューアルしました。ヴィンテージショップ、インテリア・アートショップが新たに出店し、「リユース/受け継ぐ」「リプロダクト/作り直す」「ハンドクラフト/手仕事の重要性」の3つのテーマで「サステナブル」を表現しています。
今回の改装では、テナントの入れ替え時の内装変更に伴う廃棄物削減、内装の投資をなるべく抑えながら、最低限のコストで出店できる仕組みを取り入れ、よりサステナブルな商業施設を実現しました。これにより、若いスタートアップブランドやクリエイターも出店しやすくなりました。

端材に命をふきこむプロジェクト

ホテルやオフィスの内装などを手がけるJ.フロント建装では、内装建材などの製造過程で、木の切れ端や使えなくなったフィルムなどの端材が発生していました。これを活用すべく、大阪芸術大学とタッグを組んだのが、「端材に命をふきこむプロジェクト」です。
学生が、豊かな想像力と柔軟なデザイン力で、端材という不揃いな面白さと向き合いながら、ユニークな作品を制作し、デザインコンペの入賞作品は、大丸心斎橋店で展示しました。
当社グループのサステナビリティにかける思いと学生たちのものづくりに対する思いが、見事に結実するプロジェクトとなりました。

サーキュラー・エコノミーの推進