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財務戦略

Finance Strategy

ROE8%達成に向けた、財務基盤を構築。

資本コストを認識した経営の推進

当社グループは、中期経営計画最終年度の2021年度に連結ROE8%以上の達成を目指しています。8%をターゲットとして設定した背景には、株主・投資家の皆様の期待利回り、すなわち当社の株主資本コストを認識することからスタートしています。

株主資本コストについては、2018年2月末現在では6%弱と算定していますが、中長期で見ると6〜7%のレンジのなかで推移していると見ています。そのため、当社はそうした株主資本コストを上回る水準のROE8%以上を安定的に達成することが求められていると考えています。

また、WACC(加重平均資本コスト)については、計算上では2018年2月末現在で5%をやや下回っていますが、グループ全体として中長期では5%前後の水準であると認識するとともに、百貨店事業、パルコ事業、不動産事業、クレジット金融事業など主要事業でも各事業のWACCを把握しています。

今後、事業ポートフォリオの変革を進めていくなかで、株主・投資家の事業リスク認識の軽減や最適資本構成を追求することで資本コストを低減させることについても意識していきたいと考えています。

キャッシュフロー創出と成長・還元のバランス

当社グループは、今中期計画5年間(2017年度〜2021年度)累計で2,600億円以上の営業キャッシュフローを創出し、うち2,000億円を主に既存事業の設備投資のほか、事業ポートフォリオの再構築に向けた新規事業拡大など成長戦略投資に投入します。

投資の配分については、グループの中核事業である百貨店事業およびパルコ事業に6割強、新たにセグメントとして独立させた不動産事業に2割弱、その他に1割弱を配分します。成長に向けたM&A枠としては270億円を設定しています。

フリーキャッシュ・フローについては5年間で600億円以上を生み出す見込みですが、使途としては自己資本比率40%を目処とした自己資本の拡充とともに連結配当性向30%以上を目処に株主還元を実施し自己株式取得も適宜検討していきます。

キャッシュ・フロー・アロケーション
2017年度~2021年度累計

百貨店に店舗 B/Sを導入

百貨店は大きな資産を使いながら事業活動を行なっています。しかしながら、店舗レベルではこれまでP/L志向が強く、言い方を換えればB/Sへの意識がやや希薄であったのが実態です。そのため、当社百貨店では、経営管理にB/Sの視点(資産・負債・資本)を加え、連結ROE8%以上の達成に向けた事業・百貨店店舗毎の経営目標を明らかにし、各社・各店・現場を含めた全社でROEを向上させるための「意識改革」を行うこととしました。

具体的には、2017年3月から百貨店各店舗においてB/S予算を策定し、実績との対比を可能とすることで、店舗の資産収益性を把握できるようにしました。店舗毎の投資回収能力を考慮した投資の優先順位付けを行い、売上の維持・拡大のみを企図した投資計画への牽制、および低収益部門の抜本対策につながる効果を期待しています。各店舗が事業規模・地域特性・資産構成に応じ、積極的に資産効率向上への施策を展開することによってROA、資産回転率、業績の改善・向上をはかります。

導入初年度は、本社で計上していた土地・建物、営業債権・債務等を各店舗に振替えることで、各店舗のB/Sを独立会社と同様に見える化し、店舗別のROAを予算化するとともに、店長等の評価指標に追加しました。この結果、増益に伴う営業利益率改善による影響もありますが、B/Sに関しても期初に設定した予算に対して、各店舗で管理可能な「棚卸資産」や「有形固定資産」は概ねコントロールされており、ROAの改善がはかられました。

今後については、①資産効率(B/S)視点のKPI設定と現場へのブレイクダウンを行う②各店投資実行計画を検証し、PDCAサイクルを実践していく③資産の入替、追加取得により、ROAを改善・向上する成長投資モデルの策定を行うなど、資産効率向上への戦略的な取り組みを推進していきます。

店舗B/S導入による経営管理の高度化

投資計画検討委員会と事業再生計画検討委員会

当社は、投資や事業再生・撤退の経営判断について財務の視点でサポートする仕組みとして、「投資計画検討委員会」と「再生計画検討委員会」を設けています。

「投資検討委員会」は、財務戦略統括部長を委員長、経営企画部長を副委員長とし、その他財務戦略統括部と経営企画部・法務部のメンバーで構成しています。また、より客観的かつ厳格な意見を提示するため、外部機関の参画を実施できる体制も整えています。投資判断手法としては、店舗改装投資では 回収期間法を、開発投資では NPV法(WACCによる割引現在価値≧0)を、また、M&Aでは、DCF法を活用しています。加えて、法的リスクや財務リスクなど多方面にチェックも実施しています(株主価値の算定)。

2017年度の具体的案件としては、パルコの錦糸町出店計画、大丸心斎橋店北館へのパルコ出店計画、新規事業会社の設立(JFRこどもみらい㈱)などを審査しました。

「再生計画検討委員会」は、経営戦略統括部経営企画部長を委員長、財務戦略統括部主計・経営助成部長を副委員長とし、財務戦略統括部長、主計・経営助成担当等で構成しています。

具体的には、グループの各事業を「Ⅰ.正常」「Ⅱ.要注意」「Ⅲ.再生・撤退検討」の3フェーズに分類し、定期的に見直しを行います。再生・撤退検討となる「フェーズⅢ」の基準は、「営業利益2期連続赤字」としており、これに抵触した会社・事業・店舗等について、対象会社が主体で「再生もしくは撤退」の対応策を作成します。委員会では事業検証と対応策の妥当性審査を行うとともに、グループ経営会議、取締役会における経営判断を早期に実施するための情報提供を行います。

「投資計画検討委員会」フロー
「再生計画検討委員会」によるフェーズ設定

重点施策